みなさん、こんにちは!株式会社シゲン(@shigencompany)です。
今回は、産業廃棄物の種類20種類のうちの「廃プラスチック類」について解説していきたいとおもいます。
産業廃棄物の種類
まずは、産業廃棄物について、少しおさらいします。
廃棄物とは、「占有者が自ら利用、または他人に有償で譲渡することができない不要となったもの」つまり、「価値がなく不要となったもの」のことを言います。
さらに、産業廃棄物は事業活動に伴って生じた廃棄物の事をいい、廃棄物処理法で定められた20種類の廃棄物のことをいいます。
更に、“あらゆる事業活動から発生する廃棄物”と、“特定の事業(限定業種)から発生する廃棄物”、“産業廃棄物を処理するために処理したもの”があります。
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“産業廃棄物とは?わかりやすく解説“
廃プラスチック類
廃プラスチック類とは、その名の通り事業活動に伴って生じた合成樹脂、合成ゴム、合成繊維くずなどでつくられたプラスチックの破片や不要になったプラスチック製品が含まれる廃棄物のことを言います。
プラスチック製の容器などはもちろん、合成皮革や合成ゴム、廃タイヤ等も廃プラスチック類に含まれます。業界内では、『ハイプラ』と省略して呼ばれることが多いです。
廃プラスチック類は年間でおおよそ6876千t程度排出されていて、重量でみると他の廃棄物と比較すると軽いため、全体の廃棄物排出量の約0.7%となります。
そのうち、23%が減量化、62%再生利用、16%が最終処分されています。
(出典:環境省環境再生・資源循環局廃棄物規制課 令和4年度事業産業廃棄物排出・処理状況調査報告書令和3年度速報値(令和5年3月)より)
国内での処理方法
廃プラスチック類は比較的軽く、可塑性があり、カロリーのある廃棄物です。
そのため、大きく分けて次の4つの処理方法が挙げられます。
マテリアルリサイクル
廃棄されるプラスチック類の材質ごと等に分類して、再度プラスチック製品として生まれ変わるといった方法です。再生パレット等もこの部類に入ります。また、最近は素材ごとにペレット化をして他の材質とコンパウンドしプラスチック原料として再利用されています。ただし、このリサイクル方法は排出するときの条件(洗浄、分別等)がかなり厳しく制限されることが多いです。
サーマルリサイクル
プラスチック類が持つカロリー(熱エネルギー)を利用した再生方法です。
RPFといった固形燃料は製紙会社などのボイラーに多く利用されています。
また、フラフ燃料として利用されたり、焼却された際の熱エネルギーは発電等に活用され、さらに残った残渣は、路盤材に使用されたりなどなるべく埋め立て処理をされる容量が減容化されるような仕組みができています。
ケミカルリサイクル
プラスチックの原料に着目をして、原料・モノマー化、高炉原料化、ガス化、油化など科学的に分解をするなどの処理をして、その後、再度化学原料として再利用される方法です。
埋め立て処分
どうしてもリサイクルが難しいプラスチック類については、中間処分で圧縮などをして減容化したうえで、最終処分場にて埋め立て処分となります。
バーゼル条約と廃プラスチック類
バーセル条約とは有害廃棄物の定義や輸出入を規制する国際条約で、約180の国・地域が批准しています。
廃プラスチック類は中国が資源として大量に輸入していました。
その中で2018年12月末で中国は廃プラスチック類の輸入を禁止する措置を取りました。
そのため、大量の行き先のなくなった廃プラスチック類が東南アジアへと流れたのですが、こちらも輸入規制され、2018年以降、域内でいち早く規制したのはタイとベトナム(2018年6月)、次いでマレーシア(2018年7月)です。その後、インドネシアで輸入規制・禁止が検討され、インドでは2019年8月31日から全面輸入禁止となりました。
なぜ、このような事態になったかというと、輸出書類上では「リサイクル可能」とされていた廃プラスチック類ですが、実際は再生不可能な廃棄物であったからなのです。自国の廃棄物は自分たちで処理をしてほしいという、至極当然な意見ともいえますよね。
このような中、2019年バーセル条約締約国会議(COP14)にてリサイクルに適さない汚れたプラスチック廃棄物をバーゼル条約の規制対象とする改正案が採択されたのです。
改正された条約は2021年1月1日から施工され、汚れた廃プラスチックを輸出する際に相手国の同意が必要になりました。
バーゼル条約附属書改正等を受け、輸出の規制がかなり厳しい状態になり、国内での処理が大前提になると変化してきています。
プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律
日本でもプラスチック資源循環促進法が2022年4月に施行されました。この法律は製品の設計から廃棄物の処理まで、プラスチックに係る商流すべてにおける資源の循環等の取り組みを推進するための法律です。
施行されてまだ1年のため、これからより注目されてゆく法律になると名地、様々な企業で取り組みがされていくと思いますが、この法律が施行されたことは廃プラスチック類の処理にとっては大きな岐路になっているのではないかと思います。
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